ラングレーの問題について
ラングレーの問題は中学2年程度の知識で解けます. しかし補助線なしには簡単には解けず実際はかなり難しいといえます. 小学生でもセンスのある人なら数分程度で解いてしまうのでしょうが, 補助線を引くセンスが誰にでもあるというわけでもないので, 解析的?に解けないかを考えてみることにしました. ここでは三角比と三角関数で解いてみます. その後補助線についても考えてみることにします.
■ラングレーの問題
「 \(\text{AB=AC}\) の二等辺三角形があり, 図1のように \(\text{D, E}\) をとったとき \(\angle \text{CDE} \) の大きさはいくらになるか 」 という問題.
とりあえずは三角形の内角の和や二等辺三角形の性質などから図2までは分かります.
補助線を引かない方針なので, ここから先は三角比や三角関数でやっていきます.
[解答] 図を見ながら読んでください
まず \( \text{DE=}a, \text{BE=}c, \bigtriangleup \!\! \text{BCE}\)は二等辺三角形なので \( \text{BC=EC=}b \) とおきます.
\(\bigtriangleup \!\!\text{BCE}\)の頂点\(\text{C}\)から底辺\(\text{BE}\)に垂線\(\text{CM}\)を下すと二等辺三角形の性質から
\(\text{BM=EM=}\displaystyle\frac{c}{2}\), \(\angle \text{EMC=}90° \) となります.
\(\text{△CME}\)で正弦をとると
\[
\sin 40^{\circ}=\small{\frac{\text{EM}}{\text{EC}}} \\
\small{\text{EM}}=\small{\text{EC}}\cdot \sin 40^{\circ} \\
\frac{c}{2}=b\cdot \sin 40^{\circ} \\
c=2b\cdot \sin 40^{\circ} \cdots (1).
\]
\(\text{△CDE}\)において正弦定理より
\[
\frac{\small{\text{CE}}}{\sin \theta }=\frac{\small{\text{DE}}}{\sin 20^{\circ}} \\
\frac{b}{\sin \theta }=\frac{a}{\sin 20^{\circ}} \cdots (2).
\]
\(\text{△BDE}\)において正弦定理より
\[
\frac{\small{\text{BE}}}{\sin \left(\theta +40^{\circ}\right)}=\frac{\small{\text{DE}}}{\sin 30^{\circ}} \\
\frac{c}{\sin \left(\theta +40^{\circ}\right)}=\frac{a}{\sin 30^{\circ}}
\]
これに(1)を代入して
\[
\frac{2b\sin 40^{\circ}}{\sin \left(\theta +40^{\circ}\right)}=\frac{a}{\sin 30^{\circ}} \cdots (3).
\]
②, ③を辺々割ることで \(a\), \(b\) を消去すると
\[
\frac{\frac{1}{\sin \theta }}{\frac{2\sin 40^{\circ}}{\sin \left(\theta +40^{\circ}\right)}}=\frac{\frac{1}{\sin 20^{\circ}}}{\frac{1}{\sin 30^{\circ}}}
\]
整理して
\[
\frac{2\sin 40^{\circ}\cdot \sin \theta }{\sin \left(\theta +40^{\circ}\right)}=\frac{\sin 20^{\circ}}{\sin 30^{\circ}} \\
\sin 20^{\circ}\cdot \sin \left(\theta +40^{\circ}\right)=2\sin 40^{\circ}\cdot \sin 30^{\circ}\cdot \sin \theta \\
\sin 20^{\circ}\cdot \sin \left(\theta +40^{\circ}\right)=\sin 40^{\circ}\cdot \sin \theta
\]
あとはひたすら変形していきます. 角度を揃える方向で,
\[
\sin 20^{\circ}\cdot \sin \left(\theta +40^{\circ}\right)=2\sin 20^{\circ}\cdot \cos 20^{\circ}\cdot \sin \theta \\
\sin \left(\theta +40^{\circ}\right)=2\cos 20^{\circ}\cdot \sin \theta \\
\sin \theta \cdot \cos 40^{\circ}+\cos \theta \cdot \sin 40^{\circ}=2\cos 20^{\circ}\cdot \sin \theta
\]
両辺を \(\sin \theta \) で割ります
\[
\cos 40^{\circ}+\frac{\sin 40^{\circ}}{\tan \theta }=2\cos 20^{\circ} \\
\frac{1}{\tan \theta }=\frac{2\cos 20^{\circ}-\cos 40^{\circ}}{\sin 40^{\circ}} \\
\frac{1}{\tan \theta }=\frac{2\cos \left(60^{\circ}-40^{\circ}\right)-\cos 40^{\circ}}{\sin 40^{\circ}} \\
\frac{1}{\tan \theta }=\frac{2\left(\cos 60^{\circ}\cdot \cos 40^{\circ}+\sin 60^{\circ}\cdot \sin 40^{\circ}\right)-\cos 40^{\circ}}{\sin 40^{\circ}} \\
\frac{1}{\tan \theta }=\frac{2\left(\frac{1}{2}\cdot \cos 40^{\circ}+\frac{\sqrt{3}}{2}\cdot \sin 40^{\circ}\right)-\cos 40^{\circ}}{\sin 40^{\circ}} \\
\frac{1}{\tan \theta }=\frac{\cos 40^{\circ}+\sqrt{3}\cdot \sin 40^{\circ}-\cos 40^{\circ}}{\sin 40^{\circ}} \\
\frac{1}{\tan \theta }=\frac{\sqrt{3}\cdot \sin 40^{\circ}}{\sin 40^{\circ}} \\
\frac{1}{\tan \theta }=\sqrt{3} \\
\tan \theta =\frac{1}{\sqrt{3}} \\
\theta =30^{\circ}.
\]
というわけで答えが求まりました.
\(\text{∠CDE}=30^{\circ}\) です. (答え)
■補助線について (根拠なし)
図形的に解く方法の一つに, 図のように赤色の補助線を引く方法があります.
平行線や円, 対称移動を使って角を移動させるというのはよくやる方法ですが, この場合はなんだか唐突な感じです.
なぜ このように引いたのかというのは 誰しも思うところでしょうが, 実際は経験と試行錯誤によるものなのだと思います.
しかし, あえて三角比を使った方法と照らし合わせてみるとsin20°やsin40° といった角が出てくるのに対して, もともとの問題にある50°や60°といった角はほとんど出ません.
30°や40°を出すときに使用してはいるのですが, そもそも△ABCとは無関係にBCから50°や60°の角を持った線は引けます.
どちらかというと, D, Eの決定には頂角20°の二等辺三角形ABCのほうが関係している気もします.
そう考えると, △ABCの頂角と底角の20°や80°を狙って補助線を引いてみるというのも分かるような気がします.
■よく見かける解答例(おおざっぱに書きます)
補助線FE, FEを図のように引きます(赤線).
そうすると △CFB, △FCDは二等辺三角形になります.
これから CF=CB ・・・ ①, CF=FD ・・・ ②.
また△CBEも二等辺三角形で CE=CB ・・・ ③.
①,③よりCF=CE ・・・ ④.
④より△CEFは二等辺三角形.
さらに ∠FCE=60°なので結局△CEFは正三角形になります.
このことより,CF=FE ・・・ ⑤ となり, ②とあわせると
CF=FE=FDとなるので, 点Fを中心として3点C, E, Dを通る円がかけます. この円において円周角∠CDEに対する中心角∠CFDは正三角形CFDの一つの角なので60°となり,
円周角と中心角の関係から,
∠CDE=∠CFD/2=60°/2=30°.
∠CDE=30° (答え).
*円は使わなくても△FEDが二等辺三角形であることからも求められます.
その方法なら中2程度の知識でも解けます.