もし因数分解が苦手ならまず展開を練習しましょう.
そして公式 \( {x}^{2}+\left(a+b\right)x+ab=\left(x+a\right)\left(x+b\right) \) を忘れれましょう.
教科書通りにできる人は以下は必要ありません. 教科書になじめない人用です.
展開はひとつずつ掛けていけばいつかは終わります. でもそれではそのあとに待ち構えている因数分解につながりません. まずは \( \left(x+a\right)\left(x+b\right) \) の形の展開を練習しましょう. ただし一行で展開してください. 視覚で展開します. イメージは「内側・外側を掛けて足す」です.
\( \left(x+a\right)\left(x+b\right)={x}^{2}+\left(a+b\right)x+ab \) のうち両端の項 \( {x}^{2} \) と \( ab \) は掛けるだけなので簡単です. 中央の項に集中しましょう. 公式を覚えてはいけません. 下の図のイメージで視覚的にやって下さい. 繰り返しますが, イメージは「内側・外側を掛けて足す」です.
\( {\left(x+a\right)}^{2}={x}^{2}+2ax+{a}^{2} \) の形のときも両端の \( {x}^{2} \) と \( {a}^{2} \) は簡単にわかります.
よって同様に中央の項 \( 2ax \) に注目します. イメージは「見えてるものをすべて掛ける」です.
あとは, しつこく反復練習です. 簡単な問題で構いません. 数百問もやれば,手が勝手に動くようになります. やってみると, 意外と大変でもありません. 大量に練習したい人はこちら » (pdfファイルです).
2次三項式とは \( a{x}^{2}+bx+c \) の形をした式のことです. その名のとおり項が3つある(この場合は \( x \) についての)2次式です. 中学では \( a=1 \) の場合がほとんどで, \( a=1 \) でない場合は共通因数でくくったり, おきかえて公式を適用します.
さて, 因数分解ですが, 勘でいきます. 勘とはいっても展開の経験の積み上げがあってのことですから, 十分に展開の練習をやっておいてください. ではいきます.
(例1 \( {x}^{2}+3x+2 \)
両端の項に注目します.
\( {x}^{2} \) の項の係数は, たいがい \( 1 \) なのでまず \( \left(x+\mathrm{\square }\right)\left(x+\mathrm{△}\right) \) と書いておきます(□と△は実際は書かずスペースだけ取っておきます). そして右端の項の \( 2 \) に注目して□と△を決めます. □と△は勘でいいです. 例えば \( \mathrm{\square }=1 \) , \( \mathrm{△}=2 \) とすると \( \left(x+1\right)\left(x+2\right) \) です.
ここでこの式を頭の中で最初に練習したように一行展開します. ただし真ん中の項だけ考えれば十分です. 真ん中の項は \( 3x \) になるのでもとの式と一致します.
ということで \( \left(x+1\right)\left(x+2\right) \) で正解です.
つまり, 勘で因数分解の式を作って展開して元に戻れば正解です. 戻らなければ間違いですので別のパターンを作って展開の繰り返しです. (内側の積)×(外側の積)を使って真ん中の項( \( x \) の一次の項)だけを確認すればよいので簡単です.
(例2 \( {x}^{2}-4x-12 \)
\( -12 \) の項から判断して□と△は異符号ですが, とりあえず \( \left(x-\mathrm{\square }\right)\left(x-\mathrm{△}\right) \) と書いておきます(符号を-にしておけば後から+にするのには消しゴムがいらない).
\( 12 \) は \( 1\times 12 \) と \( 2\times 6 \) と \( 3\times 4 \) とこれらの符号の組み合わせでいろいろ考えられますが, 中央の項が \( -4x \) なので \( 4 \) つ違いの \( 2 \) と \( 6 \) あたりがよさそうです.
とりあえず \( \left(x-2\right)\left(x-6\right) \) とします.
このままでは展開しても \( -4x \) が出ないので, 符号を調節して \( \left(x+2\right)\left(x-6\right) \) .
もう一度頭の中で \( -4x \) を確認して出来上がり.
\( {\left(x+a\right)}^{2} \) や \( \left(x+a\right)\left(x-a\right) \) の形のものも, この形の特殊な場合なので同じようにしてできますが, それぞれ特徴を覚えておくとやりやすくなります. それについては以下に述べます
\( {\left(x+a\right)}^{2}={x}^{2}+2a{x}^{2}+{a}^{2} \) の展開式からわかるように, 両端の項が平方数つまり(数または式) \( {}^{2} \) になるものは \( {\left(x+a\right)}^{2} \) の形になる可能性があります.
(例3 \( {x}^{2}+2x+1 \)
両端の \( {x}^{2} \) と \( 1 \) (つまり \( {1}^{2} \) )が平方数になってます.
したがって, 因数分解したものは \( {\left(x+1\right)}^{2} \) と予測できます.
実際展開してみると中央の項 \( 2x \) が現れるのでこれで正解です.
(例4 \( {x}^{2}-10x+25 \)
\( {x}^{2} \) と \( 25={5}^{2} \) に注目して \( {\left(x-5\right)}^{2} \) と予測.
展開してみると中央の項 \( -10x \) が現れるのでこれで正解.
(例5 \( 9{x}^{2}-24xy+16{y}^{2} \)
\( 9{x}^{2}={\left(3x\right)}^{2} \) と \( 16{y}^{2}={\left(4y\right)}^{2} \) に注目して \( {\left(3x-4y\right)}^{2} \) と予測.
展開してみると中央の項 \( -24xy \) が現れるのでこれで正解.
ただし必ずしもうまくいくとは限りません.
(例6 \( {x}^{2}+10x+16 \)
\( {x}^{2} \) と \( 16={4}^{2} \) に注目して \( {\left(x+4\right)}^{2} \) と予測.
展開してみると \( 8x \) が現れ, \( 10x \) にならないので, \( \left(x+\mathrm{\square }\right)\left(x+\mathrm{△}\right) \) のパターンで, \( 16=8\times 2 \) などと考えて, \( \left(x+2\right)\left(x+8\right) \) としてみる.
展開して \( 10x \) を確認して出来上がり.
場合により使い分けましょう.
\( \left(x+a\right)\left(x-a\right)={x}^{2}-{a}^{2} \) の展開式からわかるように, (2乗)-(2乗) の形になります. 項が2つで2乗の差の形なのが特徴的で, 視覚的にも分かりやすいので一番簡単だと思います.
(例7 \( {x}^{2}-9 \)
両端の \( {x}^{2} \) と \( 9 \) (つまり \( {3}^{2} \) )が平方数になってます.
したがって, 因数分解したものは \( \left(x+3\right)\left(x-3\right) \) .
結果が心配な時は頭の中で展開しましょう.
(例8 \( 25{x}^{2}-4{y}^{2} \)
\( 25{x}^{2}={\left(5x\right)}^{2},4{y}^{2}={\left(2y\right)}^{2} \) に注目して
\( \left(5x+2y\right)\left(5x-2y\right) \) .
因数分解で第一にやるべきことは「共通因数があれば, それでくくる」です. 一見できそうになさそうなものでも, 共通因数でくくると見通しがよくなることもあります.
(例9 \( 2{x}^{2}+12x+18 \)
共通因数の \( 2 \) でくくると
\( 2\left({x}^{2}+6x+9\right)=2{\left(x+3\right)}^{2} \) .
(例10 \( 3{x}^{2}-108 \)
共通因数の \( 3 \) でくくると
\( 3\left({x}^{2}-36\right)=3\left(x+6\right)\left(x-6\right)\mathrm{.} \)
(例11 \( 5{x}^{3}-15 {x}^2-50 x \)
共通因数の \( 5 x \) でくくると
\( 5 x \left({x}^{2}-3{x}-10 \right)=5 x \left(x+2\right)\left(x-5\right)\mathrm{.} \)
中学で習う因数分解の公式は2次三項式です. それ以外はまた別のやり方になってしまいますが, まずこの2次三項式の因数分解をマスターしてください.